緩衝材といっても、種類はさまざま。それぞれの緩衝材の特徴を知り、使う目的に合った緩衝材を使うことが大切です。そこで、ここでは以下の6種類の緩衝材について詳しく解説します。種類ごとの特徴や使用におすすめの場面についても紹介しているので、ぜひ商品選びの参考にしてくださいね。
気泡緩衝材は、2枚のポリエチレンシートで作られています。円柱状の突起のある1枚のシートにもう1枚を重ねることで、空気を封じ込めて生じる空気圧を利用して緩衝材として使用。気泡緩衝材は軽くて柔らかく、クッション性があるので、多くの場面で利用されています。
プチプチとは、川上産業株式会社が登録した気泡緩衝材の商標のことです。川上産業は2020年に毎年8月8日を「プチプチの日」として設定しました。突起を2つ合わせた形がアラビア数字の8に見えることや、突起をつぶすときの音が「パチパチ」ということから8月8日を選んだとのこと。また、環境に配慮し、再生原料を80%以上使用しています。
気泡緩衝材には、さまざまな種類があります。主に気泡の大きさや構造で種類分けすることが可能。気泡の大きさはメーカーによってさまざまな名称がありますが、ここでは小粒・標準粒・大粒とします。構造は「2層タイプ」と「3層タイプ」があります。
メーカーによって多少の違いはありますが、一般的に小粒のものは、直径約7mmで粒高約2.5mmとなっています。粒が小さいので、より柔らかくて扱いやすいのが特徴です。
メーカーによっての違いはありますが、一般的に標準粒のものは、直径約10mmで粒高約3.5mmとなっています。よく目にする気泡緩衝材はこの大きさのものが多いです。
メーカーによって多少の違いはありますが、一般的に大粒のものは、直径約31mmで粒高約14mmとなっています。粒が大きいため厚みがあり、商品を包むのにはあまり向いていません。商品の下に敷いたり、梱包箱との隙間を埋めたりするのに適しています。また、重量品や大きめの電化製品の保護にも使えます。
一般的な気泡緩衝材はこのタイプ。ポリエチレンシートに気泡のあるポリエチレンシートを重ねています。
2層タイプの気泡緩衝材の気泡面に、もう1枚ポリエチレンシートを重ねたタイプ。2層タイプよりも強度が強いのが特徴です。両面が平らになっているので、裏表を気にしないで使用できます。
軽くて柔らかく、クッション性がある気泡緩衝材は、壊れやすい商品の梱包に向いています。家電製品や家具はもちろん、DVDや食器類などのデリケートな商品の梱包にも使用できます。
気泡緩衝材は空気の入った凸凹のある面が表と思われがちですが、実は裏表は特に決まっていません。また、クッション性の高そうな凸凹面を内側にしたほうが衝撃を緩和できるイメージもありますが、どちらを内側にしても衝撃を緩和する性能に差はないそうです。
ただし、包む品物の形や材質によっては凸凹面を外側にする必要があります。たとえば品物の表面に装飾がある場合、気泡緩衝材の凸凹が装飾に引っかかってしまい、品物が破損する可能性あり。また、デリケートな品物だと、凸凹面を内側にしてしまうと圧迫跡がついてしまうこともあります。
そのため、品物を包む際は、形や材質に注目したうえで、どちらの面を内側にするか検討しましょう。
コップやグラスの持ち手のような細い部分は、衝撃に弱く、壊れやすくなっています。そのため、細い部分がある品物を包む場合は、気泡緩衝材を余分に巻いたり別のポリエチレンシートでしっかり包んだりしながら、補強してあげましょう。
包んだ品物を箱に梱包して隙間ができてしまった場合も、エアークッションやバラ緩衝材などを使って隙間を埋めます。隙間を埋めることで品物が固定され、品物を衝撃から守るのにより効果的です。隙間埋めに使える緩衝材が手元にないときは、新聞紙を丸めて埋めたり、シュレッダーで裁断した紙をビニール袋などに入れてクッション代わりにしたり、といった方法もあります。
品物と気泡緩衝材の間に隙間があると衝撃を緩和する効果が薄れてしまうため、品物としっかり密着するように包みましょう。また、厚みに差があると薄い部分が衝撃を受けやすくなるので、衝撃に弱い部分を補強する場合を除いて、全体の厚みが均一になるように包むことが大切です。
輸送中に気泡緩衝材が品物から外れてしまわないように、気泡緩衝材をとめるテープは粘着力が強い透明なテープを使用しましょう。特にビニール製のテープは、ポリエチレン製の気泡緩衝材との相性が良いのでおすすめです。
マスキングテープのような粘着力が弱いテープは、気泡緩衝材をとめるのには向かないため、しっかりと固定できる粘着力の強いテープを選びましょう。
長方形のビニール袋に空気が入った、小さな枕型の緩衝材。エアークッションと呼ばれることもあります。フィルムに空気を入れるだけで簡単に完成。主に商品と箱との隙間埋めに使用されます。自分で空気を入れるタイプもあれば、最初から空気が入っているタイプもあります。サイズもたくさんあり、商品や箱の大きさに合わせてサイズの選択が可能。
入ったものとダンボール箱の隙間を埋めて固定するのにぴったりです。サイズも小から大まであり高い耐久性もあります。すぐに利用したいなら空気を入れているタイプ、専用機器を使い自分で空気を入れるタイプもあります。EC、通販サイトでも採用されることが多いです。
空気を入れたまま長期保管は向いていません。空気が抜けてクッション性がなくなるからです。空気を入れる製造機も寿命があります。使えなくなったときのために予備機を用意したほうがいいでしょう。当然その分のコストもかかります。
紙を使った緩衝材。ペーパー緩衝材と呼ばれることもあります。紙は環境にもやさしく、燃えるゴミや資源ゴミとして廃棄できることから、注目されている素材です。紙緩衝材のメリットはコストの安さと保管のしやすさ。ちぎったり丸めたりして、簡単に梱包できます。再生可能なクラフト紙やクッションペーパーなど、さまざまな種類があります。クッションペーパーは梱包するときに網目状に広げて使用する緩衝材。不要になったダンボールを使って作ることも可能。紙緩衝材は商品の隙間埋めに使用できます。
緩衝材の中でコストがかからない部類です。再生紙のものが多いため、環境に優しいのもメリットでしょう。作業効率を優先するならカット済みのシートタイプ、コストを考えるならロールタイプから選べます。厚みもないため保管も楽。吸湿性により、湿度に弱い製品の梱包や高温多湿のエリアへ送るのにぴったりです。
ダンボール箱と中に入れるものとの間にできる隙間が大きければ、その分、量を使わなければなりません。結果、コスト面での強みが薄れる場合もあります。紙ですから、冷蔵するものや冷凍品の緩衝材には向いていません。
紙パッキンは紙を細く裁断し、ウッドパッキンは木材を細かく裁断しているのが特徴です。丸めて隙間を埋める、ものを包む場合でも活躍します。カラーバリエーションが豊富で装飾性が高く、高級感もあってギフト用の梱包や緩衝材で採用されることも多いです。
高級感があり、カラーバリエーションも豊富なためギフトやプレゼント用途にぴったりです。商品に合わせたカラーならより中のものを演出できるのです。また、吸湿、放湿性が高いため、湿度に弱いものを梱包するのにも適しています。
緩衝材としてのクッション性は高くないです。そのため衝撃に弱く、食器や花瓶やワインや酒といったビン類、かぐや家電製品など壊れやすいものの梱包には向いていません。紙製ですから、冷蔵ものや、冷凍品を対象とした緩衝材にも向いていないです。
粒状の緩衝材。一般的にはまゆのような形をしていますが、丸形や歯車型など、さまざまな形や大きさのものがあります。他の緩衝材と比べると大きさが小さく、クッション性があるので、複雑な形をした商品と箱との隙間埋めにも使用できます。バラ緩衝材の原料は、コーンスターチとポリエチレンなどの合成樹脂の2つ。
コーンスターチはとうもろこしを原料とするデンプン。そのため環境にやさしく、有毒ガスも出ないため、燃えるゴミとして廃棄できるのが特徴です。つぶれやすいので、軽い商品の梱包に向いています。
合成樹脂を使ったバラ緩衝材は、水に強くつぶれにくいのが特徴。重量品の梱包にも使えます。
バラ緩衝材は主原料がコーンスターチのため、焼いても有毒ガスが出ないことから環境にやさしいです。クッション性も高く、ものとダンボール箱の隙間のサイズや入れるものの形状も関係なく埋めれます。合成樹脂製なら、よりつぶれにくく重量のある製品の梱包にぴったりです。
合成樹脂製ならつぶれにくいですが、コーンスターチやリサイクル紙のバラ緩衝材の場合、やわらかくてつぶれやすいのがデメリットです。そのため重量物の緩衝材には向いていません。梱包をしても動くため、しっかり固定したい用途にも向いていないです。
ウレタンは柔らかい性質で、マットレスや枕などにも使用されています。一般的にウレタンと呼ばれていますが、正式名称はポリウレタンです。発泡ポリウレタンはウレタンフォームのこと。ポリウレタンに発泡剤を混ぜて発泡させ、化学反応により硬化させたものです。発泡ポリウレタンは商品の形に合わせて膨らませることができるので、隙間埋めと商品保護の両方に使用できます。
発泡ポリスチレンは、発泡スチロールという名称で知られている緩衝材です。製法によって大きく3つに分けることができ、1つ目が魚箱や保温・保冷箱などの用途で使われる「ビーズ法発泡ポリスチロール(EPS)」。発泡スチロールと聞いて多くの人が思い浮かべるのがビーズ法発泡ポリスチロールで、断面に膨らんだ発泡ビーズによる小さなつぶつぶがあるのが特徴です。
2つ目が、カップ麺の容器や食品トレーなどに使われる「ポリスチレンペーパー(PSP)」。発泡ポリスチレンは90℃程度の熱で溶けてしまうため、カップ麺の容器として使われる場合は耐熱性の低さを補うためにポリ塩化ビニルやポリプロピレンなどのシートで表面を覆われています。最後の3つ目が「押出ポリスチレン(XPS)」。スタイロフォームという商品名で販売されており、緩衝材としてではなく主に建物の断熱材として使用されています。
発泡ポリエチレンは、精密機器の緩衝材や果物の包装材として使用される緩衝材です。桃やリンゴなどの果物を保護する網状の緩衝材と言うと、イメージしやすいかもしれません。旭化成が販売しているサンテックフォーム®にも、発泡ポリエチレンが使用されています。発泡ポリエチレンは柔軟性が高く加工性にも優れているため、保護したい製品や商品の形状に合った加工が可能です。また、耐薬品性や静電防止を備えたタイプもあり、高機能の緩衝材と言えるでしょう。そのほか、繰り返し使用しても緩衝性能の変化が少なく、割れたり欠けたりもしにくいため、通い箱の内装材にも適しています。何度でも再利用できることから、環境に優しい緩衝材として期待されている資材です。
発泡ポリプロピレンは、エペラン-PP®という商品名で知られる緩衝材です。見た目は発泡ポリスチレンと似ていますが化学構造が異なり、発泡ポリスチレンよりも耐熱性に優れているのが特徴。発泡ポリプロピレンは130℃程度まで耐えられることから、コンビニやスーパーなどにある電子レンジで加熱可能な弁当容器によく使用されてます。
発泡ポリプロピレンは耐油性にも優れており、油の付いた機械部品の梱包・再利用も可能。また、軽量で衝撃吸収力が非常に高いため、乗用車のバンパーやドアの内側、シートなどにも多く使用されています。そのほか、スポーツ用品や土木資材などにも使われ、活躍の場が幅広い緩衝材です。
エアー緩衝材を作るときに使用するものです。ポリエチレンを材質とするものが多いです。一般的なビニール袋のようなものから凸凹のあるバブル仕様のものまで形状もさまざま。ミシン目がついていて簡単に切り離せるものや環境にやさしいものもあります。
緩衝材緩衝製造機を取扱っているメーカー13社を調査。
その中から、エアー緩衝材製造機、紙緩衝材製造機のレンタルの相談が可能な会社3社をピックアップ!
緩衝材製造機を選ぶ時は、あなたの事業形態規模・用途から考えてみるのがおすすめです。
各社の資材の種類や特徴をまとめたので、ぜひ参考にご覧ください。
レンタルできる台数や条件は各社異なりますので、お問い合わせください。
様々な商品にあう 緩衝材が欲しいなら 「トヨテック」 |
特殊な形状の緩衝材を 作りたいなら 「パックウェル」 |
大規模倉庫の生産効率 UPを目指すなら 「ネクサスエアー」 |
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エアー緩衝材製造機
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エアクッション AQ500
フィルムの種類が豊富 フィルム
6種類 |
Air-5
オリジナルの包装材制作にも対応 フィルム
3種類 |
LA-E3S
緩衝材製造機と組わせて使う フィルム
4種類 |
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紙緩衝材製造機
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クッションパッド CP60F
両手が空いて仕事がしやすい |
NUEVOPAK X-FILLX-FILL MMスタンドタイプ
欲しい分だけ、手動でつくる! |
Locked Air
紙緩衝材の長さの調整可能 |
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会社の
特徴 |
用品や生活雑貨などの軽量の梱包をはじめ、自動車部品などの重量の梱包、陶器などの割れ物の梱包もできる、紙・エアー・発泡ウレタンの緩衝材製造機を取り揃えています。資材の種類も豊富なので、様々な大きさの商品の隙間を埋めることができます。
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エアー・紙の緩衝材製造機以外に、ワインや薬品ボトル等、梱包したい商品の形状にフィットする完全受注型のエアー包装材の制作にも対応しています。商品に合わせた梱包設計を行いサンプルでの落下テストを実施した後、納品してくれるので安心です。
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緩衝材を自動で巻き取る、自動巻取システムをはじめ、緩衝材を自動補充できるセンサー付きの架台など現場の作業効率をあげる機器を取り揃えています。出荷コンベア上のスペースを活用して緩衝材の供給作業を軽減する自動供給システムにも対応しています。
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保証の対応
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スイッチを入れるだけ簡単操作
メンテナンスもしやすい!
生産スピードは最大25m/分
両手が空いて仕事がしやすい
フットペダル+オートカット機能付き
指定長、カット数は10種メモリー可能
環境配慮型フィルムを採用
フィルムを縦置きで省スペース化
生産スピードは最大10m/分
欲しい分だけ、手動でつくる!
卓上・床置きどちらでも使用可
軽量でコンパクトタイプ
フィルムへオリジナル印刷可能
生産スピードは最大10m/分
紙緩衝材の長さの調整可能
1梱包の使用量を管理できる
オートカットモード搭載
※選定基準:2021年5月17日調査時点、緩衝製造機でGoogle検索、上位に表示されたメーカーのうち、エアー緩衝材製造機・紙緩衝材製造機・発泡ポリウレタン緩衝材製造機の3つを公式サイトに掲載している業者を選定しましたが、8月2日時点ネクサスエアーでウレタンの取扱いがなくなっております。最新の情報は各公式サイトでご確認をお願いします。【トヨテック】3タイプの緩衝材製造機を取り扱い、フィルムのタイプも多く緩衝材製造機以外の梱包に関する機器を取り揃えているため【パックウェル】完全受注の包材制作にも対応してくれるため【ネクサスエアー】大型倉庫での作業に適している緩衝材製造機を組わせて使う機器を取り揃えているため。